奈落の悪役メイドは孤高の御曹司に求愛される

溜め息の原因をピンポイントで突かれ、可愛げのない濁音混じりの声が漏れ出た。



「さっき、求人アプリがいっぱい並んでるの見えたから。ごめん、覗くつもりはなかったんだけど」

「あぁ……う、うん。先月から探してて」



お祈りメールを見られたわけではないとわかり、安堵する。

2・3個ならまだしも、画面の半分も埋め尽くされているならそりゃ驚くよね。



「お金に困ってるとかじゃ、ないんだけど。もう少し欲しいなって」

「最近何かと高いみたいだもんね。お菓子とか」

「そ、そう! お小遣いだけじゃ厳しいから、去年からやってて」

「高1から? すごいね」

「いやそんな。大したことじゃ。……けど、お恥ずかしながら、解雇されちゃいまして」



対面から小一時間。

初めて打ち明ける内容にしてはあまりにも重苦しいのは、自分でもわかっている。


だけど、気まずさを残したくない気持ちが勝ってしまって。

元クラスメイトという安心感もあってか、始めた経緯から解雇理由、現在の状況と、余すところなく話してしまった。