頬を紅潮させ、照れくさそうに笑った彼。
落ち着きを取り戻した心臓が再び激しく暴れ出す。
2度目ましてで下の名前呼び……。これが海外育ちかぁ……。
……ん? ちょっと待てよ? なんで私の名前を知ってるんだ?
っていうか、よくよく考えたら、私、1度も名乗ってないよね? 呼び出す時に名簿を見せてもらったとか?
目を見開いて固まっていると、「あー……」と彼の口から申し訳なさそうに声が漏れた。
「俺のこと、覚えてない?」
「えっ。会ったことあるんですか?」
「小学校の頃、同じクラスだったの。入江 理貴人って言うんだけど」
“イリエ リキヒト”
確かめるように復唱した瞬間、当時の記憶がよみがえってきた。
『ねぇねぇ、何かいてるの?』
『金ちゃん! のあ、生き物係だから、毎日絵日記かいてるの!』
幼い筆跡、拙い画力、ワンパターンな構図。
自由帳に色鉛筆を走らせる私の手元を興味深そうに覗き込むのは、当時秘かに想いを寄せていた小麦肌の野球少年──。
落ち着きを取り戻した心臓が再び激しく暴れ出す。
2度目ましてで下の名前呼び……。これが海外育ちかぁ……。
……ん? ちょっと待てよ? なんで私の名前を知ってるんだ?
っていうか、よくよく考えたら、私、1度も名乗ってないよね? 呼び出す時に名簿を見せてもらったとか?
目を見開いて固まっていると、「あー……」と彼の口から申し訳なさそうに声が漏れた。
「俺のこと、覚えてない?」
「えっ。会ったことあるんですか?」
「小学校の頃、同じクラスだったの。入江 理貴人って言うんだけど」
“イリエ リキヒト”
確かめるように復唱した瞬間、当時の記憶がよみがえってきた。
『ねぇねぇ、何かいてるの?』
『金ちゃん! のあ、生き物係だから、毎日絵日記かいてるの!』
幼い筆跡、拙い画力、ワンパターンな構図。
自由帳に色鉛筆を走らせる私の手元を興味深そうに覗き込むのは、当時秘かに想いを寄せていた小麦肌の野球少年──。



