奈落の悪役メイドは孤高の御曹司に求愛される

異常がないことが確認できたところで靴を履き替え、校舎の中に入った。

好奇の目を浴びながら階段を上り、3階に到着。2年1組の教室に向かい、ドアをノックした。

「はーい」と返事が聞こえて、ガラガラガラとドアがゆっくり開けられる。



「おはよう」

「あぁ……おはよう」



出迎えてくれたのは、去年同じクラスだった女の子。

私を見るやいなや顔を強張らせたが、入学当初は一緒にお弁当を食べたり、体育の授業でペアを組んだりしていた関係。最初から仲が悪かったわけではない。



「何か用?」

「泉(いずみ)さんいる? お届け物を渡しに来たんだけど」



用件を伝えて、右手に持った紙袋を見せつけた。

まだ若干表情は硬いものの、危害を加える様子がないと判断したのか、「……ちょっと待ってて」と小さく言い残して……。



「悠芽(ゆうめ)ちゃーん、弓崎(ゆみさき)さんが来てるよー」