奈落の悪役メイドは孤高の御曹司に求愛される

途方に暮れていた、その時だった。



「へぇ、食堂あるんだ」

「人気メニューは、豚のしょうが焼き定食と鶏のからあげ定食だよ」



公園の外に、散歩中であろうおじいさんと若い男の人を見つけた。



「あのっ、すみませんっ!」



急いで入口に回って声をかけ、事情を説明。

3人で園内に戻ると、驚いたのか、カラスたちは一斉に飛び去っていった。



「あっ、待って!」



ポツンと1匹取り残されたサビ子も、パニックになっていたようで。近づいた途端逃げてしまった。



「ごめ……っ、ごめんね……っ」



膝から崩れ落ち、涙声で謝罪を繰り返す。


集団で攻撃されて、全身に傷を負って。

突撃しなくても、おやつでおびき寄せるとかして気を逸らす方法もあったのに……っ。



「あの、良かったら使ってください」

「すみません……っ」



泣き止まない私を見かねたのか、ポケットティッシュを差し出してきたお兄さん。

お言葉に甘えて受け取り、ボロボロとこぼれ落ちる涙を拭った。