奈落の悪役メイドは孤高の御曹司に求愛される

買い物を終えて、家に帰宅……の前に、ちょっぴり寄り道する。


去年から公園に住み着いている、サビ猫のサビ子。私が唯一心を許している存在。

温厚で人懐っこく、私を見かけるといつも駆け寄ってきてくれるんだ。


名前は特にないけど、女の子なので勝手にサビ子と呼んでいる。


そうこうしていたら公園が見えてきた。

今日はやけに元気だなぁ〜と、空を飛ぶカラスを眺めながら中に入ったら……。



「え……?」



低木の近くで輪になって鳴き続けるカラスたち。

その真ん中でうずくまる、黒い生き物。



「っ、さ、サビ子!?」



近寄ろうとしたら一斉にカァカァと騒ぎ出した。

上を見ると、すぐ近くの電柱に巣らしきものがある。ヒナを狙いに来たと思われちゃったんだ。



「ど、どうしよう」



突撃するか、大声で叫ぶか。でも、逆に私が襲われそうだよね。

かといって石を投げるわけにも……。

あぁ、どうしてこういう時に限ってスマホを持ってきてないんだ。