檻の中の恋と、奪いに来た君  〜閉じ込める愛か、奪い出す愛か〜

暗がりの奥へ引き寄せられる。

壁際。

人目につかない場所。

距離が、近い。

「……琉生」

小さく名前を呼ぶと、琉生は周囲を確認しながら小さく息を吐いた。

「ちゃんと来たな」

その一言に、少しだけ力が抜ける。

「……ほんとに、逃げれるの?」

不安が、そのまま声に出た。

琉生は少しだけ黙ってから答える。

「逃がす」

短い言葉。

でも、その声は真っ直ぐだった。

「今度こそ」

その一言に、胸が強く鳴る。