檻の中の恋と、奪いに来た君  〜閉じ込める愛か、奪い出す愛か〜

足音が、少しずつ近づいてくる。

逃げ場がなくなるみたいに。

「総長まだ中?」

「さっき出てった」

海里の声。

その瞬間、少しだけ呼吸が戻る。

凛月は、今ここにいない。

「……なら大丈夫か」

愛流が気の抜けた声で笑う。

「蒼依いる時の方が空気えぐいし」

「まぁそれは分かる」

海里も苦笑する。

その会話を聞きながら、ゆっくりと扉に手をかけた。

今なら——

いける。