琉生はゆっくり立ち上がった。 そして。 愛葉の前に立つ。 少しだけ屈む。 目線を合わせるために。 「分かった」 低く優しい声。 「連れて行く」 愛葉の涙が零れる。 琉生はそれ以上何も言わない。 ただ。 泣き続ける愛葉の頭に。 そっと手を置いた。 その温もりに。 愛葉は初めて思う。 ――この人を信じたい。 運命が動く夜だった。