檻の中の恋と、奪いに来た君  〜閉じ込める愛か、奪い出す愛か〜


蒼依は気付いていた。

それでも振り返らない。

逃げるつもりもない。

愛葉は少し迷ってから近付いた。

「蒼依くん」

呼びかける。

蒼依がゆっくり振り返る。

「何ですか」

相変わらず冷たい声。

愛葉は少しだけ寂しそうに笑った。