「ただ」 蒼依が言う。 「知らない方が良かったことです」 その言葉に。 愛流は固まる。 冗談じゃない。 海里も。 玖音も。 蒼依も。 みんな知っている。 知らないのは自分だけ。 愛流は拳を握った。 「教えろよ」 低い声。 蒼依は少しだけ目を伏せる。 そして静かに言った。 「……二年前の話です」 その瞬間。 愛流の表情が変わった。 ついに。 封じられていた過去が動き始める。