檻の中の恋と、奪いに来た君  〜閉じ込める愛か、奪い出す愛か〜


凛月は何も言わなかった。

ただ。

静かに立ち尽くしている。

玖音は背を向けた。

それ以上何も言えなかった。

その姿を。

少し離れた場所から愛流が見ていた。

「……は?」

思わず声が漏れる。

今の会話。

聞き間違いじゃない。

玖音が総長に反論した。

星龍の中で。

誰よりも総長に忠誠を誓っていた玖音が。

愛流は戸惑いながら立ち尽くす。

そして初めて思った。

――もしかして、本当に何かがおかしいのかもしれない。

その疑問は。

少しずつ星龍全体へ広がろうとしていた。