部屋を出る直前。
海里は立ち止まった。
そして振り返る。
「愛葉ちゃん」
静かな声。
愛葉が顔を上げる。
海里は少しだけ笑った。
「今度は一人で抱え込むな」
その言葉に。
愛葉の目から涙が零れる。
海里はそれ以上何も言わなかった。
ただ。
扉の向こうへ消えていく。
その背中はどこか覚悟を決めたように見えた。
そして海里は廊下で待っていた人物を見る。
黒瀬琉生。
海里は小さく息を吐く。
「お前」
琉生が顔を上げる。
海里は真っ直ぐ見据えた。
「今度は失敗すんなよ」
その言葉に。
琉生は頷く。
「あぁ」


