その頃。 廊下の奥。 暗がりの中に人影があった。 東雲蒼依。 静かに立っている。 琉生が部屋へ入るところも。 出入りしていることも。 全部知っていた。 「……」 蒼依は目を閉じる。 本来なら止めるべきだ。 総長へ報告するべきだ。 なのに。 足は動かなかった。