檻の中の恋と、奪いに来た君  〜閉じ込める愛か、奪い出す愛か〜

玖音は壁にもたれたまま腕を組む。

「総長は昔から一途だ」

「一途と執着は違います」

蒼依の返答は早かった。

部屋に短い沈黙が落ちる。

「愛葉さんが逃げたら終わる」

ぽつりと落とされた言葉。

玖音の目が細くなる。

「逃げねぇだろ」

そう言い切る。

けれど蒼依は首を横に振った。

「そう思いますか」

静かな問いだった。

その言葉に。

玖音は答えなかった。