檻の中の恋と、奪いに来た君  〜閉じ込める愛か、奪い出す愛か〜

蒼依の呟きは、夜の静けさの中に溶けた。

手の中のスマホを閉じる。

その横で、玖音が小さく眉を上げた。

「何が」

短い問い。

蒼依は窓の外へ視線を向けた。

「総長ですよ」

その言葉に、玖音は小さく息を吐く。

「今更だろ」

「今までは違いました」

蒼依は即座に返した。

「少なくとも、まだ抑えられていた」

その声音は冷静だった。

だからこそ重い。