次の日、私は近衛騎士団の事務室に呼ばれた。初めて来た事務室に尻込みしつつ、中に入れば近衛騎士団の制服である白い騎士団服を着た方々が私に視線を向けていた。
私よりもだいぶ年上の、私の父と同じくらいの歳のような男性達だ。
失礼します、と名前を言えばおいでおいでと手招きをされる。まるで娘扱いだな、と思いつつ集まっているテーブルに近づいた。
「任務に参加してくれることは聞いてる。よろしくな」
「こちらこそ、未熟者ではございますが精一杯務めさせていただきますのでよろしくお願いいたします」
格上の近衛騎士団達のお役に立てるか分からないけれど、でも自分に与えられた仕事は精一杯務めるつもりだ。
けれど、気が付いた。近衛騎士団長がいない。今回の潜入捜査の作戦会議がこれから始まるのにいないというのは……本当にお忙しい人だ。
……けれど、そんな人が何故私の部屋に何回も来ているのか聞きたいところではある。
「……いいな、職場に女性がいるの。部屋が華やかになる」
「第三騎士団が羨ましいぜ……うちはオジサンばっかりだからな。暑苦しくて仕方ねぇ」
だいぶ緊張してこちらに来たはずが、今の会話で何となく和らいだような気がした。ちゃんと女性と認識していただけている事と、女性騎士を拒絶するような目や態度を向けてくることがない事にだいぶ驚愕している。
最悪剣でも抜かれたらどうしようとまで思っていたけれど……大丈夫そうな気がする。
「マーフィス男爵の娘さんだっけ」
「はい」
「へぇ~、なら納得だな。ナイフで動物仕留めたの、あれ結構驚いたからな」
それは……今更ながらに恥ずかしい。



