いろいろと問題はあったけれど、ようやく国王陛下主催の狩猟大会は終わりを告げた。今回の事件のおかげで、狩猟大会後も我々王族騎士団員達は大忙しとなっていたけれど、ようやく落ち着いてきた。
約束通り、副団長達は私をお酒が美味しいお店に連れていってくれた。お酒は飲みませんと言えば、お肉も美味しい店だから心配すんなと言ってもらい安心しつつも連れて行ってもらった。
そこは城下町にある居酒屋ではあるけれど、わいわい男性達が盛り上がってどんちゃん騒ぎをしているわけではない、女性客もいるカジュアルなお店だった。副団長が選んだお店らしい。
「さ、テレシア。何でも食っていいぞ。今回賭けた額は結構あるからな。日頃よく頑張ってくれてるテレシアへの先輩達からのご褒美だから遠慮するな」
「……明日は雪ですかね」
「今は初夏だぞ。雪なんて降るわけないだろ」
いや、まさか先輩達がこんなに優しいとは思わなかった。今日は私を入れて6人だけど、本当は他の先輩達も来たかったらしい。でも人数が多くなると盛り上がりすぎて店に迷惑がかかるし酒も進みすぎるからまた今度だそうだ。
私が絶対にお酒を飲みたくないからと気を遣ってくれたのだろうか。何ともお優しい先輩達だ。普段からそれくらいお優しいと嬉しいのだが。
とはいえ、きっと次大勢でお店に行けば絶対に飲まされる事は分かっているから今のうちに覚悟を決めておいた方がいいかもしれない。いや、断る勇気も大事だから諦めないほうがいいかもしれないけれど。飲んだら最後恐ろしい事に繋がってしまう可能性があるから。
「はぁ、絶対緑だと思ったのに……まさか青だったとはな~」
「残念でした」
「赤にしとけばよかったのにさぁ。赤だったらあの血飛沫はごまかせただろ」
「血飛沫の付いた赤のドレスでナイトパーティーに参加しろって言ってます?」
「冗談だよ冗談」
冗談に聞こえないですよ、それ。というより、そんな派手な色のドレスなんて絶対に着たくないですよ。
けれどまさか、今回賭けた人達の誰も当てられなかったとは思わなかった。青は似合わないと思われていたのか。でも寮母にはとてもよく似合っていると言われたし……あのドレスの送り主にも、似合ってるって、言われたし……
それを思うと、つい顔を火照らせそうになってしまった。危ないな。



