騎士団長様、クビだけは勘弁してくださいっ!

 早く行かなきゃ、と思っていたのに……いきなり後ろから肩を掴まれた。

 そして、私が行く代わり、2人が森に向かったのを確認出来た。白の団服を着た、近衛騎士団騎士団員達だ。

 私も、と思ったけれど……


「マーフィス、そのドレスでは森の中で不利になる。別の者達を行かせたから問題ない」

「……えっ」


 私の肩を掴みそう言ってきたのは、先ほどまで国王陛下の近くにいらっしゃった近衛騎士団長。ここまで来ていた事に、全く気が付かなかった。


「陛下がお待ちだ。その顔に付いた血を拭いて行くぞ」

「あっ……」


 騎士団長から、ハンカチを渡された。血、顔についてたんだ……というよりさすがにハンカチをいただくわけにはいかないけれど、手で拭って伸びたら最悪だ。それに陛下に呼ばれているのだから血の付いた姿は……というところで、気が付いた。

 顔に血が付いている、という事は……

 恐る恐る、ドレスに目を向け……青ざめてしまった。ドレスに、血が付いている。しかも、切れている。目の前に、贈ってくださった方がいるのに……最悪だ。

 いや、それより前に陛下が私をお呼び……? どうして私をお呼びなの……?

 脳内が混乱していると、騎士団長がため息を吐きつつサッと頬をハンカチで拭いてから腕を掴んで引っ張っていった。強制連行……?

 一体何故、こうなった……?