森に配置されている警備兵は、森と会場との間に何人も配置されている。それなのにどうして森から出てきた? なら森にいる警備員は? そう思いそちらに目を向けると、一人の警備員が出てきた。また出てきた大きな動物と交戦している。なら、他の警備員は?
同じテーブルにいた令嬢達に逃げるよう伝え、私はケーキ用ナイフを何本か手にした。本当は剣が欲しいところだけれど、ここにそんなものはない。
あの動物は、足の速い肉食系動物。私の足から膝くらいまでの大きさだ。きっと興奮しているだろうからこちらにいる貴族達に噛みつく可能性がある。
私達が座っていた席が一番近い。けれど、一番最初に出てきた動物が私の方から別のテーブルに行き先を変えた。これはマズい、ドレスは……後っ!! それより怪我人を出すことが最悪だ。
私は、走り出した。いつもと違うヒールの靴ではあっても、あの動物が参加者に噛みついたら最悪だ。
動物の前に立ち、口を大きく開け私に噛みつかんとする動物を避け、上から体重をかけてケーキ用ナイフを突き刺した。命中し動きを止める。よし、これだけ小さい動物ならこのケーキ用ナイフでも十分いける!
一体警備員は何をしてるんだっ!!
そんな怒りに乗せ、次の一匹に視線を向けようとしていた時だった。
「マーフィスっ!!」
そんな声が、聞こえてきた。声の方に振り向くと、目の前に、何かが飛んできていた事に気が付いた。すんでのところでその細長いものをキャッチする。危なっ……って、剣っ!?
いや、そんな事よりもう1匹がこっちに……!!
焦りつつも剣を鞘から抜き鞘を投げ捨て動物目がけて突いた。まだこっちに来ている動物達に目を向けたけれど……白い騎士団服を着た方が二人視界に入った。一人は応戦している騎士団員の方へ、もう一人はあちらの馬車が並ぶ方へ走っていってしまった。
一瞬呆気にとられ、すぐに視界に入っていたもう一匹を突き刺した。
森の方からは……来ていない。さっきの騎士団員達は森の中に入ってしまったらしい。一体森の方で何が……そう思いつつ剣に付いた血を払う。
気が付けば、森の奥辺りに煙が立っている。森の中で火事でも起こっている!?



