とはいえ、社交界に顔を出さない私にはあまり関係のない事。今日の交流会をやり過ごせばいいだけ。
「最近は殿方がレディにドレスを贈る事は珍しくなくなったわ。ウチのブティックでも、レディにドレスを贈る殿方が多くなったの。確か、つい先日はドレスを着慣れていないご令嬢に青色のドレスを贈りたいという注文を受けたわね」
うちのブティック? という事は、ドレスなどを製作して販売するブティックを経営している、という事か。知らなかった。
「もしかして、デビュタント用でしょうか? もしそうならとっても素敵なお方ですわね!」
「素敵ですわ~! きっと、誰かさんのドレスよりよっぽど素敵なドレスなのでしょうね」
そう言いつつ私をあざ笑うかのような視線を向けるご令嬢。
けれど、何か引っかかる。着慣れていないご令嬢に、青色のドレス。とはいえ、偶然なのだろうけれど。
マダムは夫に呼ばれ行ってしまった。マダムを味方に付けられたからか令嬢三人はだいぶ勝ち誇った表情を向けてくる。
「せいぜい男漁りに勤しむことね。あぁでも、そんなドレスを着ているご令嬢に殿方が振り向くか分かりませんけど」
「ふふ、独り身で一生を過ごすなんて可哀そうだわ」
3人は鼻を鳴らして、去っていった。何とも得意げな様子ではあったけれど、言わせておけばいい。
マダムがいらっしゃる前に、彼女達は私に分を弁えろと言っていた。彼女達の両親が動けばどうなるかは分からないとはいえ、私は国の騎士団所属。下手に手は出せないわけで。だからその件に関しては大丈夫でしょうね。
はぁ、こういう事があるから嫌なんだ。さっさとこのドレスを脱いで団服に戻りたい。美味しいご飯が食べたい。早く終わってくれ。



