第一、第二、第三騎士団員達、そして近衛騎士団員達がここを利用する食堂は広くて料理の量もすごい。まぁ、筋肉ムキムキ脳筋騎士ばかりだから当たり前か。とはいえ、近衛騎士団長はここを使わないらしく、私も見たことがない。執務室かどこかで食べてるのだろうか。
私達のように交代で食事を摂る団員達も多いから、人数が多い時と少ない時とバラバラ。
今はお昼時より早い時間。四人席が並ぶ食堂には、ぱらりぱらりとしか団服姿の男性達がいなかった。これなら並んですぐ食べられるから楽だな。
……とはいえ、面倒なやつらがいるのは確か。
「おやおや、お優しい先輩達とお食事ですか? 仲がよろしい事で」
「ですが、若い男性達と一緒にいては婚約者が嫉妬してしまうのではないですか?」
「おいおいよせよ、マーフィス嬢はこの前婚約破棄言い渡されたんだから」
「おっとっと、それは失礼した。だが……〝普通の可愛らしいご令嬢〟とはかけ離れてるんだ。破棄されても仕方ないな」
黒板に書かれている2種類の料理どちらかを選び、調理場にいるおばちゃんに注文しその場で待ち受け取るのだが……煩いのが2人。青い団服を着ているから第二騎士団員だろう。ここで絡まれるのは大抵第二騎士団員。本当に、この仲の悪さはなんとかしてほしい。
まぁ、その仲の悪さの原因は第二騎士団長が勝手にうちの団長をライバル視しているということなのだけど、その原因に私も入っていることは確かだ。
女性騎士団員がいる事をよく思わないやつは騎士団の中にもいる。第三騎士団員の先輩達はとてもよくしてくれているけれど、第一も、そして特に第二騎士団員達は顔を合わせるたびにそう煽ってくる人達が必ずいる。
まぁ、ここにはエリートの近衛騎士団の方々も利用するから、こういう人数が少ない時、近衛騎士団員達がいない時を狙ってくるが。
最初の頃はこの煽りにカチンと来たけれど……
「あ、から揚げありますよ先輩。私唐揚げ定食にしようかな」
「じゃあ俺も唐揚げにすっか。もちろん、テレシアも大盛りだろ?」
「当然ですよ」
「一体お前のどこにそんな量の飯が入るんだか……」
「いっぱい食べなきゃ仕事中にエネルギー切れになります」
入団して3年。もう私は大人になったし、レパートリーが少ないのか飽きてきたところでもある。だから、こういうのは無視するに限る。いちいち構ってやるほど私は暇ではない。それに、色々と頭の中がパンクしているから余裕なんてものはないし。



