「空気の綺麗なところに行こう。少しは良くなるかもしれない」


そうパパが言ったのは、3ヶ月前。


この家を離れるのは嫌だったけれど、それ以前にママが守ってくれたこの命を、大事にしたいと思った。


パパも、仕事の都合で結局はこの家を出なきゃいけないことを分かっていた。


だから、引越しを決めた。



寂しいけれど、仕方ないんだ。


落ち込むのはやめよう。


もう、決めたんだ。


……ママとパパのために、新しい土地で元気になって、笑顔で幸せになるって。




――天国で、ママが見てる。