「何がずっと入院しちょるだ」
絞り出すような声を出して、京はお父さんを睨む。
「お前が直姉を病院に締め付けちょるんだが!!」
京の大声にビクッと体が揺れた。
……京? どうしたの……?
「京っ! やめんさいっ!!」
「退院しても大丈夫な体になったんに!! 看病が面倒になって病院に押し付けたがや!」
……お姉さんはずっと病院にいるの?
「京! 何度も言っちょー! 直のことはそんなんじゃないがっ」
「じゃあ何かや!? 何でまだ入院させちょる!」
途端に沈黙が流れる。
綾はどうすればいいのか分からず、ただひたすら京を見つめていると、その後ろから、ため息をついて律兄が現れた。
「なんか騒がしいと思ったら……また直姉のことで怒っちょるんか、京」
京はお父さんから視線を逸らし、律兄を睨む。



