「……夏にも言ったけん」
京は悔しいのか恥ずかしいのか、よく分からない顔をする。
「言ってよ……」
「……寂しかったけん」
途端に涙が溢れる。
「うぅ〜。京のバカァ〜」
「うお! 顔ヒドッ! 美人が台なしだけんっ」
京が、笑っていた。
久しぶりに見る、優しい笑顔。
「仲直り?」
「ぅうっ仲な゙ぉり゙……」
嬉し過ぎて京に抱き付く。ほんとに自然な行動だった。京も何も言わず、ぎゅって抱き返してくれる。
好き、大好き。
そう言えたら、どれだけ幸せだろう。
でも今は、ただ京の胸で静かに泣くことを選んだ。
「風邪うつすなよ」
まどろむ思考の中、唯一聞こえたのが、この言葉だった。
綾は泣き疲れて、いつのまにか眠ってしまった。
──夢で声が聞こえた。
『……ふたり……天使みた……思い出に……るか?』



