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キッチンに鳴り響く、規則的な包丁の音。
大きなリビングにはあたしと京のふたりだけ。だからなのか、向けられる視線をいつも以上に意識してしまう。
「……な、何?」
椅子に座ってあたしを見ていた京の視線に耐えられなくなり、声をかける。
「何しちょるん?」
「……夕飯の準備」
「母さんが作ったのあるじゃろ」
「……明日の夕飯……」
「花見で腹いっぱいじゃろ。てか今作る意味なか」
「………」
だって! 何かしてないと落ち着かないんだもん!
トマトを切っていた包丁を凝視していると、椅子が動く音がした。
「……綾」
「はい!?」
顔を上げると、ニンマリ笑う京。
「遊び行こ」
「へ……?」
遊びって……どこへ?
「ちょっと京、夕飯は!?」
京は微笑み、あたしの手を握ると家の外へ飛び出した。
ど……どこ行くの!?



