みんなとそれぞれ別れて、家に帰る。と言っても、あたしが帰る家は京の家なんだけど……。
「「ただいま〜」」
玄関で靴を脱いでると、リビングから京ママが顔を出す。
「おかえり〜。ちょうどお昼できたとこだけんっ! 着替えてきんしゃい」
ニコニコ笑う京ママを見ていると、あたしのママが生きていたらこんな感じだろうかと、ふと思う。
「……綾」
階段を上ろうとしていた京が、あたしに振り向く。
あたしの心情を察してるかのような、優しい笑顔を添えて。
「……京ママ、いつもありがとう」
「え? ……やっ、やぁね! いいのよ綾ちゃん!」
痛い!! バシンッ!と思い切り肩を叩かれ、痛さに顔を歪ますと京が声を出して笑った。
今もママのことを思い出す。
だけどもう、悲しい気持ちにはならない。温かい、幸せな気持ちになるの。
京のあとについて階段を上る途中、京の大きな手が頭を撫でてくれた。何も言わず、微笑みながら。



