「綾のお父さんカッコいいねーっ!!」


リビングに戻った瞬間、陽子が興奮気味に話しかけてくる。


「あれ? 会ったことないっけ?」

「あるけど全然違う!!」


そうかな?

不思議に思っていると、陸がポツリと呟く。


「前見た時、眼鏡して髪ボサボサだったけんね……」


ああ……なるほど。

みんなパパが家で仕事してる時しか見たことないんだ。その時のパパははっきり言って、ひどい。


「イメージが変わって良かったよ」


ぎこちない笑顔を見せると、リビングに笑い声が響いた。


「今日、ひとりで大丈夫なんか?」


ソファーに腰掛けていた京が、突然綾を見ながら言った。


きょとんとしていると、さも当たり前のように紡がれる言葉。



「俺んち、来るかや?」



一瞬で、胸が熱くなった。