君を、何度でも愛そう。



「もうっ! だけん、始業式には髪くらい直してきてねって言うたが!」

「「ごめんなさい……」」


新しい教室に行き、窓際の席一列に座るあたし、理一、和也は、仁王立ちする朋に怒られている。


陸はなぜ、朋側にいるのか……。


「綾は遅刻癖を直さなきゃダメだけんっ」

「それは京にも言ってよー!」


あたしの後ろの席で他人ごとのように頬杖をついていた京を指差す。


「今日は綾のせいじゃろっ」

「京のせいでしょ!?」

「起こしちょーに、二度寝したんは綾じゃろ!?」

「あたしが1回で起きるわけないじゃんか!」

「起きろや! ていうか寝坊したくせに、律兄と朝飯食べちょったのは誰だが!」

「朝ご飯は普通食べるでしょぉ!?」

「律兄のくだらんギャグに笑っちょる暇があったら、ふつう準備するじゃろ!」

「京だってすましてコーヒー飲んでたくせにっ!」


「おい。痴話喧嘩はよそでやれよ〜」


ギャーギャー騒ぐあたしと京に、ニヤニヤしながら和也が言う。


「「痴話喧嘩じゃない!」」


ハモるあたしと京に陽子と朋は笑い、理一は呆れたように、


「どっからどう見ても痴話喧嘩だけん」

と、遠い目をした。


陸はボソッと「おしどり夫婦」とか言い出す。


「「夫婦じゃない!!」」

「ははは! ほんっとお前ら、よくハモるけんね〜」


和也が笑い出すと、みんなも笑った。


「仲良くしなきゃダメだが」


陽子が言うと、陸が頷いた。


む〜っとするあたしと京を見て、理一が溜め息をついた。


「そうそう。仲良しろや。一緒に住んどるんじゃから」


「だって京が!」

「綾が!」と、また始まる痴話喧嘩。



そう。あたしは今、京と一緒に住んでいる。