「また遅刻か、三波! 水島!」

「「すみません……」」


見事に遅刻したあたしと京は、体育館の隅で正座を強要され、こっぴどく説教されていた。


総会が終わり、1年生から順々に体育館を出る生徒たちにクスクス笑われる。


「特に三波! 何かやその髪っ! いったいいつになったら直すけん!」


学年主任の先生はあたしの金色の髪を指差して、怒りマークをそこら中に振りまく。


めんどくさいなぁ……と思って、ふと先生の後ろを見ると陽子や理一が立ち止まって、呆れたり笑ったりしていた。


「……理一が直したら直します」

「テメー! 綾っ!」


先生はあたしの目線を追って、グレーの髪にピンクのメッシュをした理一を見つけた。


「穂高! お前もこっちゃ来い!」


フガー!って感じで怒る先生に、爆笑してる和也。それを見た理一は、和也を指差す。


「俺も、和也が直したら直すけん」

「はぁー!? 理一テメェ! 親友を売るんじゃなか!」

「村田も来い!」


オレンジの髪をした和也は、隣にいた陸をチラッと見る。


「陸が直したら直しちゃる!」

「………」

「いってぇ!」


最近髪を茶色に染めた陸が、無言で和也の背中を殴った。


「だぁー! お前ら、そろいもそろって! いい加減にせんか!」


顔を真っ赤にして怒る先生に、やんわりとした声がかけられた。


「すいません先生。あたしがちゃんと言い付けます」


ニッコリ笑う、校内でも指折りの優等生、朋。


「おお、根岸か。お前も大変だな」

「それがあたしの役目だけん。こってり絞っておきます」


ニコニコ笑って先生と話す朋に陽子は苦笑いを浮かべ、あたしや京たちはカチーンと固まっていた。


と……朋コワッ…!