「どうしたけん綾……」
寝転んで目を覆うあたしの手に、優しく触れる京。
「何か、あっちょー?」
顔を見なくても、心配してくれてるのが分かる。
あたしは小さく顔を横に振ることしかできない。
どうしよう。涙が止まらないの……。
「綾……とりあえず、起きて……。風邪引くけん」
優しくなだめるように声を掛けてくる京。
「綾……」
何度も、あたしを呼ぶ京。心配そうなその声に、愛おしさが胸の奥から溢れ出す。
「……大丈夫だよ京……あたし、元気だよ……」
「……なら、何で泣いちょるけん……手、どけて」
手の隙間から流れる涙を拭ってから、あたしの手を退けようとする大きな手。
「……京のおかげで、元気になったんだよ」
京の手が、ピクリと止まった。
「……あたしが倒れて1週間……不安だったでしょう? ……自分を、責めたでしょう……?」
「……な、に言って……」
ポロポロと落ちる涙。
京の手は、あたしの手の上で止まったままだ。
その大きな優しい温かい手をぎゅっと握ると、視線が京とぶつかった。



