あんなに胸が高鳴ったのも、真っ赤になったのも、ヤキモチやいたのも。
咽せるほど泣いたのも、苦しすぎる胸の痛みも。全部全部、京が初めてなんだよ。
京はね、あたしの初恋なんだよ。
京の初恋も、あたしなのかなぁ……。
そしたらね、あたし言いたいことがあるの。
ありがとう、その後に。
言えなかった言葉を、伝えたいんだ。
「……京……」
瞑った瞳から、ひと筋の涙がこぼれ落ちた。
フワリと、柔らかい香りが漂った。
冷たかった空気が暖かさを纏い始め、雪が顔に触れなくなった。
……あ。晴れたのかな……?
そっと目を開ける。けれど日の光に、目がくらむことはなかった。



