「はーー……」
冷えた手を息で温めて、灰色の空を見上げる。
立ち止まるその場所は、あたしが京を好きだと確信した場所。
ふたりの、秘密の場所。あたしが京を、抱き締めてあげた場所。
「ここらへん……だよね」
サラサラの真っ白な雪が積もる地面に、何となく寝転がってみた。
真上に広がるのは、灰色の広大な空。雪化粧された木々。その隙間から降り注ぐ、太陽の光を反射する雪。
「きれー……」
顔に当たる雪が、冷たい。背中も少し、冷たい。
金色の髪を撫でてから、手を力なく雪の上に倒す。
パパ……血相変えてあたしのこと探してそう。
「ふふっ……」
想像すると、やっぱりおかしい。
フワリと睫毛に雪が落ちて、そのまま目を瞑った。
音ひとつない静寂なこの場所。
まるで世界に、あたしだけみたいだ。



