────…… 真っ暗な病室に、ひとり。あたしは明日、退院する。 上半身だけ起こして、窓の外を見上げた。 漆黒の闇に、月が浮かぶ。まるで、あたしの心みたい。 道に迷い、途方に暮れそうなほど広く、深く、絶え間なく続く闇の中、ただひとつの大きな光が、あたしを導く。 闇に泣くあたしを、優しく照らし出す。 「……京……」 迷ってもいい。立ち止まってもいい。 近道じゃなくても、どんなに遠回りでも。 あたしは進もう。 光射す場所に、愛しい君が待ってくれているのなら。