パパがゆっくり、ひとつひとつ丁寧に話してくれた。
東京に行った京。京の夢の理由は知っていた。
医者になりたいから、あたしを治したいから。
突然帰ってきたのは、あたしに会いたかったから。
でもそれだけじゃ、なかった……。
あたしの病の原因を突き止めたから、帰ってきたんだ……。
あたしの心臓の症状は、心が、病んでいることからくるのだと。
仮説であっても、京はそれを信じた。
治したくて。
あたしの傷を癒やしたくて。
あたしを、闇から救いたくて。
「……っ」
どれだけの痛みを、京に与えたんだろう。
それでも京は、あたしに向かい続けた。
迷いながら、恐れながら、傷つきながら。
それでもなお、未来に、光があると信じて……。
「うっ……うぅ〜……!」
「綾……」
話し終えたパパが、泣きじゃくるあたしを抱き締めた。
「京くんは……綾のためだけに、生きてきたわけじゃないんだよ……」
「ふっ……うっ……」
「京くんが、綾を大切に思うから……綾と一緒に生きたいから、頑張ったんだよ。……分かるね?」
……分かるよ。
京の人生を縛ってしまったと思うのは、間違ってるんでしょう……?
京があたしに捧げた時間に、感謝しなければいけないんだよね……?
ごめんね、じゃなくて。
ありがとう。
そう、京に伝えよう。



