「パパっ!!」
「わっ! びっくりしたぁ……どうしたんだい綾」
病室に勢いよく入ると、引きずっていた点滴台がドアにぶつかった。
「綾ぁーーっ! ダメだよ暴れたら! まだ安静にしてないとっ」
「京は!?」
慌ててあたしに駆け寄って来たパパが、驚いた顔をする。
「京くん……? 今連絡しようとしてたけど……」
「あたしが眠ってる間……うぅん、学校で発作起こして、意識不明の時! 京何かしたの!?」
「落ち着きなさい綾、どうしたんだ」
パパはあたしをベッドに促し、あたしは大人しくベッドに入って、椅子に座ったパパを見つめる。
「先生に退院するって言ったら、京の気持ちも考えろって言われた」
「……先生……」
はぁ……とため息をついたパパに、あたしは問いただす。
「京、あたしのために何かしたの!?」
「……綾?」
パパは不思議そうな、驚いたような表情で、あたしの顔を見た。
「……何?」
「まさか……京くんのこと……思い出したのか?」
「え……? あ……、うん」
言うの忘れてた……。
「そうか……よかった……」
パパは本当に嬉しそうに胸を撫で下ろした。そしてすぐに、あたしの手を握る。
「綾……京くんはね、……綾を救ったんだ」
「救った……?」
そんなの、知ってるよ……。
あたしは、何度も京に救われた。記憶をなくしてる間も、闇を彷徨ってる間も。
「京くんはね……」
あたしが戸惑っていると、パパは優しく笑った。
「綾を病気から……救ってくれたんだよ」



