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「うん、どこも異常ないけんね。顔色もいいし……瞳が、澄んどるね」
先生があたしを見て、優しく笑った。
「1週間寝ちょる間、何かあっちょーかな?」
「……え?」
診察台から起き上がって服を直していると、信じがたい言葉を聞いた。
「いっ……しゅうかん?」
「お父さんから聞いてなか? 綾ちゃん、1週間寝ちょったけん」
「嘘っ!」
だからパパあんなに……。
「今日、何月何日ですかっ」
「年越したけん」
1月っ!?
「先生あたし退院するっ!」
「は!? 体力戻ってからにしんさい!」
「ヤダ!」
「ダメだけん!」
「もう元気だよっ」
「誰のおかげでそうなっちょーか! 京くんの気持ちも考えんしゃい!」
「……え?」
しまった……って顔をする先生。
「何……? 京……? どういう意味なの先生……」
「……いや、京くんはいつも綾ちゃんのことを考えちょったんじゃから……退院は明日にしんしゃい」
先生はそれだけ言って、カルテに視線を落とした。
誰のおかげ……?
京は……記憶をなくしたあたしのそばに、ずっといてくれた……。
それだけじゃ……ないの……?
先生は何でそんなに、京の気持ちを知ってるの……?
病室で何回か、会っただけでしょ?



