「パパ……」
力がなかなか入らない腕で体を支えながら、上半身を起こす。
「ダメだよ綾っ……寝て……」
あたふたするパパに、両手を広げた。
「……ぎゅってして」
パパは目を見開いてすぐ、あたしを抱き締めてくれた。頭に回された大きな手が、小刻みに震えている。
「ごめんなさい……心配かけて……ごめんね、パパ」
「こんなにっ……痩せて……」
「ちゃんとご飯食べる……」
「親に気を遣うなって、言っただろう……」
「……遣わなくていいの?」
「当たり前だろ……っ」
パパの胸に顔をすり寄せると、心臓の音がした。
「……ママに会ったよ」
「……弥生に……?」
パパはゆっくり離れて、涙で濡れた瞳であたしを見た。
「パパをよろしく……って」
パパはグッと涙を堪えて、笑顔を見せてくれた。
「……僕はいつも……弥生には勝てないな……」
「綾、パパのこと大好きだよ」
はにかんだ笑顔を見せると、パパは優しく笑った。
「僕もだよ。……この世で1番……大切な宝物だ……」
そう言って、ママと同じように額にキスをしてくれた。
この世でたったひとりの、あたしのパパ。
これからもずっと、あたしだけの……パパでいてね。



