「……パ……パ…?」
目を開けると、あたしの顔をパパが覗いていた。
キョロキョロと目を動かすと、病院だとすぐに分かった。
「綾……」
点滴されているあたしの手を握って、涙を流すパパの姿に涙腺が緩んだ。
今の夢……交通事故にあった時の光景だ……。
“パパをよろしくね”
ママの言葉が頭をよぎる。
「よかった……綾……よかった……」
ジワッと涙が浮かぶ。
……どうしてあたしは、いつも大事なことを忘れてしまうんだろう。
ママは「大丈夫?」ってばかり言ってたわけじゃなかった……。
「パパ……」
パパ……痩せてる……。
目も充血して、髪もボサボサで、服もヨレヨレで……。
「ごめん……っ、ごめんなさい……パパ……ッ……」
痩せたパパの手を握り締めて、あたしは声を押し殺して泣いた。
あたしのそばには、パパがいてくれたのに。
あたしのために、仕事を頑張ってくれてたのに。
こんなに心配して、こんなに泣いてくれて、あたしを愛してくれる人は、こんなに身近にいたのに。
「ごめんね、パパッ……」
ありがとう。
あたしを愛してくれて、本当にありがとう。
ママとの約束……あたし、守るよ……。



