あたしの命は、ママが命懸けで守ってくれた命。
あたしに覆い被さって、血まみれになりながら、「大丈夫? ……大丈夫?」って、ずっとそれだけ言ってた……。
この命を、大切にしようと。精一杯輝かせようと。幼い頃に思ったはずなのに。
いつからあたしは、ママの所へ行くことを望むようになってしまったんだろう……。
あたしの命は、ママの命でもあるのに。
分かってた、はずなのに……あたしは見て見ぬ振りをしてた。
“分かっちょるなら弥生さんが言っちょった言葉、聞けるじゃろ!?”
京の言葉を聞いた瞬間。
もうひとりのアタシが、記憶そのものであるあたしに入り込んだ。
恐ろしいほどすんなりと、忘れた記憶に触れてきたの。
……ママが言ってた言葉?
分かんない。分かんないよ。
だって、ママの顔が見えない。
顔を覆って、しゃがみ込んでしまうんだもん。
ママ……何て言ってたの……? アタシに何か、伝えたいことがあるの?
───ヤダ。
やめて……っ。聞きたくないの。
聞いてしまったら、あたしはもう二度と、京から離れられない……っ。



