君を、何度でも愛そう。



「綾……見ちょるじゃろ……お母さんの夢……。昨日も見たけんね?」


ジッと見つめる俺から、逃げるように視線を逸らす綾。その態度で、弥生さんの夢を見ていると確信する。


「綾……何で言わんん……。あれほど……何か不安や悲しいことがあったら、頼れって言っちょったんに……」


眉を寄せて、俺を見ようとしない綾の手をつかむ。


「……っ」

「……答えぇ綾。見ちょるんじゃろ?」


なんでいちばん重要なことを、言わんけん……。


綾がいちばんつらいことは、お母さんの夢を見ることなんじゃろ……?
 


俺は綾に手紙を残した。それは、本当にただ、綾が自分はひとりだと思わんようにって。


お母さんの夢を見んようにとか、そこまで深く考えちょーわけじゃなかった。


けど、東京に行って、綾が発作を起こすんは、苦しみや悲しみ、悩んだ時や自分に憤りを感じた時だと。


その病の原因を作ったんがお母さんの死なんじゃと分かった時。お母さんの夢を見ることは、綾が悲しむから、まずいと思った。


だけん……何か、悲しいことや不安なことがあったら頼れって言ったんに……。


「なんで溜め込むが……。なんで何も言わんけん……」


俺は、そげん頼りないんか……?

俺じゃ綾を、救えんのか?