「ミルクティーでよかった?」
綾が部屋に戻ってきて、テーブルにトレーを置いた。
「……綾が飲みたいんじゃろ」
「うっ、まぁ……そう、だけど……」
ごにょごにょ話す綾に、自然体でいるように体に力を入れる俺。
戸惑ったらダメだ……。何が出てきても、落ち着いて対処するんだ。
綾は俺の前にミルクティーを置くと、向かい側に座る。
ひと口飲んで、どう切り出すか考えた時、綾から話し出した。
「……陽子から聞いたの?」
ティーカップを両手で持ちながら、チラッと俺を見た綾に少し間を置いて答える。
「……何で俺と綾が、付き合っちょったって思ったかや?」
「………」
綾はティーカップを置いて、すぐ隣にあった机に向き直ると、引き出しを開けた。
1番上の、小さな引き出し。
「昨日、見つけたの」
綾が差し出しものは、少し色褪せた写真だった。受け取って、眺める。
「……あぁ、綾が初めて俺んちに泊まりに来た時のやつだけん」
俺と綾が寄り添い、手を繋いで寝ている写真。
何で持ってるのかすぐに気づいた。きっと律兄があげたに違いない。
「……これ見て、付き合っちょったと思ったんかや?」
少し笑みを乗せながら綾に写真を返した。
これなら大丈夫だ。そう安心したことを、心底後悔した。
「……この写真を見つけた時は、本当に仲よかったんだなって思った。でもこれじゃない。……こっち」
綾が再び差し出した別のものに、俺は目を見開いた。



