「……うちの親父と母さんは弁護士。律兄も弁護士を目指し中」


なんと。京の家は弁護士一家だったのか。てことは……。


「京も…?」

「こいつは違うけん」

「じゃあ何になるの?」

「…………」

「綾ちゃんに聞かれても答えんのか」


京は何も言わず視線を落としてる。


……京?


「こいつ、将来何になりちょーか1度も言わんけん」



それからもやっぱり京は夢について何も言わず、少しして「送る」とだけ言った。


綾はお母さんとお兄さんに挨拶をして、京の家を後にした。