「順調……か?」
家に帰り、ベッドに深く座る。
今のところ、順調だと言える。
少なくとも、俺らから離れようなんて考えはもう持たんはず。
あとは、綾のすぐ自分のせいにするとこ……自分を追い詰める性格も、少しずつ直してみせる。
ただひとつ気掛かりなんは、綾の心の闇の根本にある傷。
……綾のお母さん。
弥生さんだ……。
もっとよく、詳しく聞いとくんだった。
おじさんに、どんな人柄だったんか、どんな事故だったんかは聞いた。
でも……弥生さんが綾にどんな傷を負わせたんか、どんな影響を及しちょるんか、まるで想像がつかない。
「………」
ゴロンとベッドに寝転がって、ゆっくり目を閉じる。
俺がどんなに綾のそばにおっても、綾が弥生さんの夢を一生見続けるのなら、何の意味もない。



