「友達なんじゃから、迷惑だってかけるし、心配するんは当たり前なんだけん。全部、綾が大事だからこそ。……俺やみんなは綾が大切なんじゃから、離れるなんてもってのほかだが。それこそ、俺らを悲しませる」
俺は立ち上がって、俯く綾の隣に座った。
「……綾」
膝の上で力強く握っていた綾の拳を、そっと開く。
「綾は、ひとりじゃないけん。俺らがそばにおっちゃるから、何か悲しいことや、不安なことがあったら、そのたびに話してほしいけん。抱え込まないで、頼って。……な? 綾」
温かい手を握ると、弱々しく握り返してきた。
俯いてる綾の体が、少しだけ震えている。
「……心配……かけていいの?」
「いいけん」
「迷惑じゃ……ない?」
「俺らだって迷惑ぐらいかけるけん」
「……頼って……いいの?」
涙目で弱々しく俺を見上げた綾に、優しく微笑む。
「いいんだけん」
そう言った瞬間、綾の白い肌に流れたひと筋の涙。それを、親指で拭う。
「綾が俺らを大事に、大切に思ってくれちょるなら、俺らは全力で綾を支えるけん」
「……ありがとう……」
俺は何を失ってもいい。
綾が、生きてくれるのなら。



