「なぁ綾、真面目な話してよか?」
俺の部屋で母さんが持ってきた温かいミルクティーを美味しそうに飲む綾に問いかける。
「どうぞっ」
慌ててティーカップを置いた綾は、両手まで膝に置く始末。
「……そんなかしこまらなくてもいいけん。飲みながら聞いちょって」
フッと笑うと、綾は恥ずかしそうに再びティーカップに手を伸ばした。
「綾……お前が病院で目を覚ましちょー時に、俺や陽子がいた意味は、分かっちょる?」
綾は向かい側に座る俺の目を真っ直ぐ見て、ためらいがちに頷いた。
「綾が原因不明の病気なんは、みんな承知の上だけん。……それでも、俺らは綾のそばにいることを約束しちょる」
「約束……?」
「仕方なくじゃない。ひとりひとりが、自分でそう決めたんだけん。……みんな、綾と一緒にいたいから」
「………」
綾はティーカップを置くと、微妙に眉を下げながら俺の言葉を待った。
「……綾。もしお前の心に、俺らに迷惑を掛けられんとか、心配させちゃいけんとか、離れなきゃいけんっていう考えがあるなら、それは間違っちょる」
「………」
綾はグッと眉を寄せて俯いた。



