綾……何でそんな……。
俺を、また好きになってくれちょったんか?
何も言わず東京に行って、連絡もせず3年間ひとりにさせて、つらい思いをさせたんに。
自分勝手に戻ってきた俺を、また、好きになってくれた……。
目の奥が、ジワリと熱くなる。
「お前は綾に、愛されちょる」
理一の言葉に、目を覆った手の隙間から涙が一粒、零れ落ちた。
「京、綾が目を覚ましたらどうする?って話したこと、覚えちょー?」
俯いた俺に、理一が問いかける。
「……もう一度、誓いをする」
「そう。俺は幸せになれって言う……って言うたが」
「でも……綾には、昔の記憶がないけん」
「……お前、記憶のない綾が何かを疑問に思っちょるたびに笑っちょるけど、寂しそうだけん。俺らもつらいけど、京が1番つらいんじゃろーなって思っちょった」
「………」
「京。綾に記憶がなくても関係ないが。お前は綾に、誓いをしていいんだけん」
顔を上げると、男の俺から見てもカッコいい理一は優しく笑っていた。
「俺が、お前らの幸せを願っちゃるけん。お前は、綾を幸せにするが」
「理一……」
「お前がするべきことは、それだけじゃろ? 綾を治して、綾と一緒に幸せになる。できるが。京なら、できるけん」
真っ直ぐ、揺るぐことがない瞳が、俺を見つめちょる。
強引で、何ひとつ曇りない、燃えたぎるような心。
……理一、きっとお前は、本気で綾に好かれちょったよ。
俺が今、理一に救われたように。綾もその真っ直ぐさに、何度も救われたはずだ。
「……ありがとう、理一」
「どーいたしましてっ」
俺と理一は顔を見合わせて、笑った。



