「ぎゃー! また負けたがー!」
宿題をひと通り終え、和也が持ってきたゲームを男子メンバーで始めた。
和也はゲームのコントローラーを放り投げ、床に倒れ込む。
「和也、弱い」
対戦相手の陸がフッと鼻で笑うと、和也は勢いよく起き上がる。
「っけんな! 次こそ勝つけん!」
「いい加減、俺に変われっ!」
再度コントローラーを手にした和也の頭をバシッと叩く理一に、綾たちはクスクス笑う。
「陸も変われ! 京っ、対戦!」
「俺はやらん」
ゲームは律兄に散々つき合わされちょるから、勝負にならんと思うし。
「いいからやるが!」
「……はあ……」
仕方なく陸からコントローラーを受け取り、理一と対戦を始める。
……ゲームオーバー。
「俺の勝ち」
隣の陸にコントローラーを返し、いそいそとベッドに寄りかかると、唖然としていた理一が振り返った。
「待て待て待て! なんじゃ今の! ありえんっ! 瞬殺かよ!」
「だけん、俺はやらんって言うたじゃろ」
「ムカつく……頭いい顔もいい、運動神経までいい。だけじゃなくてゲームまでできるって……お前には不得意なもんはないんかや!?」
「ゲームは律兄によくつき合わされるけん」
「もうお前とは対戦せんっ」
ムスッとした理一は、陸と対戦を始める。
陸も律兄に鍛えられちょーから、理一はさらに不機嫌になること間違いなしだった。
俺はぼーっとテレビ画面を見ながら、理一に言われたことを考えていた。
不得意なもの、か……。
確かにないかも。勉強は得意だし、運動は好きだし。……ゲームもできるし。
……ああでも。ひとつだけある。俺の不得意なもの。
きっと、恋愛だ。



