目ざとく和也が教科書に挟まっていたプリントを見つけた。
「京、化学終わっちょー!?」
「写せ、今すぐ写せ!」
自分でやんないと覚えんじゃろーが……。まぁいいけど……。
「う〜分かんない…」
目の前に座る陽子が唸ると、やっと現代文を終えたらしい陸が「どこ?」と言って教え始めた。
朋は優等生らしく、綾に教えながら一緒に解いている。
……読書感想文でもやるか。
「京っ、何ひとりで読書始めちょるけん!」
和也が険しい顔で、ベッドに寝転がり本を広げた俺を注意する。
「何って、読書感想文を書くためだけん」
「はぁ!? 読書感想文なんて最後にやるもんじゃろ! 1番めんどくさいが!」
「俺、あと読書感想文しか残っちょらんもん」
サラリと言うと、みんな一斉に俺を見た。
「マジで!? まだ冬休み1日目だぞ!? いつやったけん!」
理一の問いに考える間もなく答える。
「冬休み前から宿題渡されちょったじゃろ。だいだい授業中にやっちょったけん」
「計画的すぎてムカつくが……」
持ってるシャーペンを折る勢いの和也に、俺は笑みだけを返した。
貴重な冬休みを、大量にある宿題に潰されてたまるか。
俺が宿題をほぼ終わらせたんは、冬休み全部を綾に使うためだ。
「読書感想文か……めんどくさい……」
陸が化学のプリントを出しながら呟き、俺は本の最後のページから、陸に視線を移した。



