「失礼します」
おじさんと共に、先生に頭を下げる。
ドアを開けると、壁に寄りかかる理一たちの姿があった。
「……みんな」
腕を組んで俯いていた理一が、ゆっくりと顔を上げる。
その瞳に、何とも言えない力強さが感じられて、目を逸らすことができなかった。
「……聞いちょったよな」
多分、様子からして最初から聞いていたんだろう。
みんなの頬に、涙を流した跡があったから。
後ろにいたおじさんはポンと俺の背中を叩いて、何も言わず微笑んで去って行った。
体の横でギュッと拳を握り、みんなの顔を見る。
「はーぁ……」
突然理一が溜め息をついたかと思うと、口の端を上げた。
「あんま無理すんなや?」
思いもしない言葉だった。
綾を好きな理一だから、俺がしようとしちょる、危ない賭けみたいなこと、させたくないだろうと勝手に思っちょった。
「俺らにできることあったら言えよ」
和也……。
「京には俺らがついちょるけん」
陸……。
「京なら……信じられるが」
朋……。
「綾を……救ってね」
陽子……。
我慢していた涙が、情けなくも、流れてしまった。
「泣くなやー! 男じゃろ!?」
理一の言葉に、ワッ!と、周りに集まるみんな。
「ありがとう……」
目を覆って小さな声で呟くと、和也が肩を抱いて、陸は背中に手を添えてくれた。
悲しい涙じゃない。
嬉しいんだ。
かけがえのない友情を、目の当たりにできたから。



