「こいつが理一! んでこれが朋で、これ俺っ!」
和也がポンポン説明していき、綾は和也の指先を追うのに必死だ。
「京は中学違ったけど、今は全員同じ高校だけん!」
「……同じ。クラスもですか?」
「おうっ! あ、陽子と陸以外は同じクラスだけん」
「そうなんですか……」
綾は写真をじっと見ている。
和也はその写真ひとつひとつの思い出を、面白おかしく話している。
綾の硬かった表情は、段々と和らいできた。
「……名前、覚えた?」
不意に俺が聞くと、綾は小さく頷く。
「んじゃー、俺は誰だっ」
「……和也くん」
「ピンポーン! ほんなら、こいつは?」
俺を指差した和也の指先を追い、綾はゆらりと視線を移す。
「……京くん」
まるで、他人みたいだ。
そんな思いとは裏腹に、俺は笑顔を見せる。
「正解。でも、くんは付けんで」
「そうだぜ綾〜! 綾に和也くんとか呼ばれると、こう……かゆいけん!」
和也がわざとらしく体を震わせると、綾は自然に笑った。
「じゃあクイズの続きな。これはだーれだっ」
「……陽子ちゃん」
「くん、ちゃん付け禁止〜!」
「……陽……子」
「当たり〜。これは?」
和也と綾はしばらくの間、卒業アルバムで盛り上がり、綾は何とか俺らの名前を覚えたようだった。
……綾には、俺と付き合っちょったことや、理一と迷っちょったことは、教えんことになった。
いきなりそがんことを言われても、余計混乱するじゃろうから、言わんほうがいいとみんなで決めた。
俺はぼんやり、綾と和也が楽しそうに話す姿を、まるでテレビでも見てるように眺めていた。



